積荷の絵その2
これらの絵は 素材として使う事も考慮して描いているため、使用色数が少なく軽いのが特徴です。
改造素材や、ホームページや冊子のネタとして、ご自由にお使いください。※注 絵を単体で商用・営利目的使用する場合を除く。
小さな手直しは頻繁にあり、更新履歴に載せない事も多いいため、古いキャッシュを消去して、利用直前にコピーする事をお勧めします。
ご使用の際は、知らせて頂けるとうれしいです。
なお、絵や解説文の根拠たる参考文献等は ここに記載しきれないので、直接私にメールか掲示板で問い合わせて頂ければ幸いです。また、基本的に解説文は作画当時に書いたものなので、情報が古い場合があります。
このページの絵は特記以外1ドット50mmで描いています。
積荷の絵 その1は こちら 貨車の絵 その2は こちら 貨車の絵 その4は こちら 貨車の絵 その5は こちら 貨車の絵 その10は こちら 貨車の絵 その11は こちら 貨車の絵 その15は こちら のりものの絵は こちら 表紙へ
国鉄 C900形 妻一方開き 有蓋コンテナ
C900形有蓋コンテナは、昭和44年(1969年)に国鉄が自前で用意した20ftコンテナです。
昭和45年(1970年)からはフレートライナー10tコンテナ輸送の本格運用、及び私有コンテナ制度がスタートする事になりましたが、C900形は、いわば私有コンテナのお手本として製作したものです。
C900形は片妻開きで、同一構造で両妻開きのC901形と共に20個づつ製作されました。
私有コンテナが充実した後はレンタルコンテナとして活躍しました。
国鉄の20ft10tコンテナはISO規格海上コンテナの1C形を元にしていますが、貨車の突放入換を考慮して前後方向の強度を増しています。
しかし逆に上下方向は 軽量化のために強度を落としたので、海上コンテナのように5段積とかの芸当はできません。
ただし、最近のJR20ftコンテナには海上コンテナと同仕様のものもあります。
私有 20ft有蓋コンテナ
私有10t有蓋コンテナは、国鉄時代は一般のUC5形と航送用のUC7形に集約され、JRになってからは容積を基準に形式が与えられるので同じ形式内に様々なタイプが混在しています。
時代と共に、総重量は初期の12.3トンから13.5トンまで大きくなり、長さもじりじりと伸びています。
なお、コキ50000形は荷重37トンなので、13.5トンのものは3つ積めません。
JR 30A形 両側開き 有蓋コンテナ
30A形有蓋コンテナは、従来ワキ・パワムで輸送されていたロール紙を、コキ車化する目的で作られた両側開きコンテナです。
増備と共に仕様が若干変化しており、最近は汎用としても使われています。
絵は左から平成3年(1991年)試作の1〜9番、同年量産の10〜179番、平成5年(1993年)製作の180〜207番、平成8年(1996年)製作の208〜257番、平成10年(1998年)製作の1001〜1060,1122〜1170番、平成13年(2001年)製作の258〜315です。
欠番があったり、番号が行ったり来たりでややこしいですね。
JR 30A形 500番代 側妻二方開き 有蓋コンテナ
30A形 500番代は、長尺物の積み込みの便を図り側妻二方開きとしたもので、なぜか形式を分けずに30A形の500番代となりました。
そのため 30A形の基本番代の番号は一時的に1000番代に飛び、上記のように ややこしくなっています。
500番代は、平成10年(1998年)30個が製作されましたが、20ftコンテナは やはり両側が開いた方が使いやすいようで、増備は30B形式に移行しました。
JR 30B/30C/30D形 側妻三方開き 有蓋コンテナ
30B形は、30A形の基本番代の工場製作途中に 急遽設計変更した 側妻三方開きコンテナです。
平成10年(1998年)に30A形1061〜1100番になる予定のものに妻扉を追加して1〜40番に。
平成12年(2000年)に30A形1101〜1121番を改造して41〜61番になりました。
なので、今までの30A形に比べて、妻扉分片側に長くなっています。
30C形は、30B形の新製増備として平成14年(2002年)から68個が製作されました。
この箱は 妻扉の反対側にも構体を伸ばしてバランスをとっています。
30D形は、30C形の構造を強化したりしたもので平成18年(2006年)から製作のものです。
と、30B〜30D形は いちいち形式を分ける必要に無いように思いますが・・・。ややこしいですね。
絵は左から30B形、30C形、30D形、30D形。
私有 U36A形 有蓋コンテナ/私有 UV36A形 通風コンテナ
このコンテナたちは、20ftコンテナで背高貨物を運ぶために屋根を高くしたやつで、20ftコンテナでは最大クラスの容積を誇ります。
コキ100系に積んで主要線区を走れるように、第3積載限界というやつに収まる寸法になっているため、屋根肩が面取りされた形状となっています。
荷役の際は側開戸のほか、肩部がウィング状に跳ね上げられるようになっていて開口面積を稼ぎます。
U36A形は、平成17年度(2005年度)に10個が登場し、合板等を運んでいましたが、令和5年(2023年)に輸送は終了したようです。
UV36A形は平成29年度(2017年度)に4個製作され、東京で収穫された廃基板等のリサイクル原料を大館に運び、秋田から段ボール原紙を越谷に運んでいます。
私有タンクコンテナ
国鉄時代から、さまざまなタンクコンテナが作られてきました。
当初はタンク車とドラム缶の中間サイズの輸送器材として コンテナが選択され、JR化後は化成品タンク車の代替としても製作されました。
積荷は油・化成品・食品等 各種液体や粉粒体等さまざまで、タンクコンテナは少量多品種です。
従来タイプのタンクコンテナは、絵のようにトップリフタ荷役に対応しておらず、上吊用の枠組が無いのが特徴です。(一部タイプは段積やタンクのプロテクター目的で枠組があります。)
総重量はJRの12ft、20ftコンテナに準じ、7tか15tフォークリフトで荷役します。
国鉄がJRになってから外枠付きのものが増えましたが、ISO規格20ftタンクコンテナが導入されると、大形のものは ほとんどがそちらに移行しました。
ただ、このタイプのタンクコンテナは、外枠が無い分 自重を軽くでき、タンクの容積を大きくできるメリットがあるので、一部用途には 現在もこの形状のものが活躍しています。
私有 20ft ホッパコンテナ
ホッパコンテナは 黎明期は国鉄コンテナとして作られましたが、増備は私有コンテナで行われました。
積荷は粉粒体で、なかでも樹脂ペレットが主流です。ホッパコンテナなら不純物が混ざらず 輸送品質が良く、小ロット輸送に適しています。
荷役は上部マンホールから積み込み、荷降ろしはコンテナをダンプさせて妻側から排出する方式です。
私有 20ft 内袋式ホッパコンテナ
これは一見して ただの海上ドライコンテナに見えますが、実は特殊艤装が施してあり、ホッパコンテナとして活躍しているコンテナです。
構造は上面に荷役用のマンホールがあり、そこから粉粒体を積み込みますが、コンテナの中にはインナーバックという大きなビニール袋が入っていて、その中に積荷が充てんされます。
それが内袋式と言われるゆえんで、荷降ろしは普通のホッパコンテナと同じく、コンテナをダンプさせて妻側から排出する方式です。
ただの四角い箱で、ホッパと呼ぶには疑問も感じますが・・・。
この方式のメリットは 空コンテナの返却回送の際、通常の20ft有蓋海上コンテナとして貨物を積める事です。
うまく帰り荷を見つけられれば 回送運賃を節約できます。
また容積も、専用のホッパコンテナよりあります。
という事で、従来タイプのホッパコンテナに代わって増備されているようです。
私有 UV26A形 20ft 通風 ライトコンテナ
UV26A形コンテナは、コストのかかる4tピギーバック輸送の代替策として開発された20ftコンテナです。
通運業界では一般的に地域集配には中小型トラックを活用していますが、それをJR規格のコンテナ化するとなると、幅の広い大型車が必要になり、狭い路地で小回りが利かなくなりますし、何より大型車では高く付きます。
そこで、コンテナの幅を4tトラックのシャーシに合わせて狭くし、脚部の固定用隅金具をスライドさせて 貨車にもトラックにも対応するようにしました。
長さは20ftですが、荷重は使用目的から4tに抑え、構造も華奢なため、段積禁止です。
ライトコンテナの名を付けましたが、構造からして日本版スワップボデーコンテナと名乗っても良い存在です。
産業廃棄物等輸送用 無蓋コンテナ
産業廃棄物等輸送用の無蓋コンテナは、上部開口部に積荷飛散防止用の天蓋を備え、ダンプ機能付きトラックにより妻側から荷降ろしする構造です。
このタイプのコンテナは 昔からゴミ輸送用のトラックで一般的でしたが、それを鉄道コンテナ化したものと言えます。
まず、平成7年(1995年)に 川崎市のゴミ輸送用にUM11A1000番代、UM13A1000番代が登場し、クリーン川崎号の運転を開始。
平成8年(1996年)には、さいたま新都心建設(大宮操車場跡地開発)の残土輸送用にUM12A形5000番代が登場しました。
さいたま新都心の残土輸送は、私有コキ車コキ104形5000番代36両と無蓋コンテナ259個を新製し、16両編成1日3往復で平成9年(1997年)から2年間行われました。
また、平成7年(1995年)に発生した阪神淡路大震災の瓦礫輸送を契機に 静脈物流が注目され、UM12A形5000番代が増備されました。
静脈物流とは、農作物や工業製品等の輸送を血管の動脈に例え、廃棄物輸送を血管の静脈に例えたもので、新たな収入源として見直されたのです。
そのおかげで、さいたま新都心の輸送終了後もUM12A形は さまざまな用途に活用され、同種のコンテナも増備されていきました。
ところで、産業廃棄物等輸送用って まどろっこしく書きましたが、いわゆるバラ積み貨物で、バルク貨物という便利な言葉もあります。でもそれだと穀物とか樹脂ペレットとかの ホッパコンテナを主に使う軽比重な物も含まれてしまうので、あえて こう書きました。
これら無蓋コンテナは、静脈輸送の他にも、鉱物や肥料等の動脈輸送にも使われます。
また、静脈とは言うものの 土砂は埋め立てに必要ですし、ゴミの焼却灰や下水処理施設の汚泥はセメント原料の良質な粘土になり、溶けた金属も回収処理されます。
無蓋コンテナは、コンテナ趣味者にとって 悩みの多き存在です。
それは 他のコンテナの形式が内容積基準で決まっているのに対し、無蓋コンテナは床面積で形式が決まるので、高さ(容積)が違うのに 同じ形式のものが混在しているのです。
さらに産廃用と鉄鋼用、パレットタイプと3要素が番代分けもせずに続番で同居しており、20ftタイプは大抵 UM12AかUM13A、もしくはUM11Aです。困ったものです。
同じ積荷でも、コンテナ製作メーカーの違いによってコンテナ天蓋の開閉・ロック機構は いくつかの種類があります。
産業廃棄物等輸送用の無蓋コンテナの容積の違いは、積荷の比重の違いの表れです。小形のタイプは回送時に2段積できるものもあります。
輸送品目のうち、焼却灰輸送用は、煤塵・飛灰から汚泥まで様々な荷を運んでいます。
シュレッダーダストは、自動車や家電製品を破砕機に掛けたあと、大まかに金属等を回収した出涸らしの産業廃棄物ですが、うまく処理すればまだ有価資源が混ざっています。
シュレッダーダスト輸送用コンテナは そのまま瓦礫の輸送に適しているようで、東日本大震災の復興に際して瓦礫輸送用として新製されたものもあります。
一般廃棄物輸送用/震災ゴミ輸送用 無蓋コンテナ
このコンテナは一般廃棄物・・・シャレた言い方をするとミックスペーパーや、空缶・ペットボトルの ようするに家庭ゴミを輸送するために平成11年(1999年)に開発されたものです。
最初、クリーン川崎号向けに平成21年(2009年)まで量産されました。
そして東日本大震災で発生した多量の木屑等瓦礫の輸送のために、平成24年(2012年)に一挙に510個が量産され、専用列車で復興支援にあたりました。
東日本大震災の復興輸送の終了後は、クリーン川崎号用をはじめとして、シュレッダーダスト(自動車等破砕物)の輸送用に転用されたり、あるいは災害対応コンテナとして自治体に払い下げられています。
クリーン川崎号用となったものの中には、熊本地震の瓦礫輸送用として再抜擢されたものもあります。
鉄鋼輸送用 無蓋コンテナ
鉄鋼製品(鉄板、鋼管等)の鉄道輸送には かつては無蓋車や長物車が使用されていましたが、現代は無蓋コンテナが担っています。
このコンテナの特徴としては荷役を考慮して無蓋であり、輸送時には必要に応じシートを掛けて積荷が濡れるのを防ぎます。
また、製品に応じて規格外の長さのものや、比重の高い鉄製品なので規格外重量のコンテナが多いです。
右端のUM27A形48000番代は長さが40ftもあり、30ft用トップリフターでも荷役できるように30ftの位置にも上隅金具が用意されています。
右から2種目のUM21A形38000番代は、妻扉を備えており、幌を掛けると幌付きトラックのように使う事ができます。
また、全高が低いものは下の絵に描いたように、回送時に多段積みが可能になっており、回送運賃が節約できます。
鉄道コンテナの大きさについて
国鉄・JRの鉄道コンテナの規格は、これまで数度に渡り大形化の方向で改正されてきました。
ややこしいので、ここで整理しておきます。
まず、国鉄の5tコンテナは 1種が長さ3240mm×幅2300mm×高さ2350mm以下、総重量6t→6.3t→6.8t以下です。
長さ3240mmは、計画に終わった新幹線貨物電車に 横積みで車両限界内に収まる寸法としたものです。
国鉄の旧5tコンテナは、のちに10フィートコンテナなどと通称された事もありますが、ISO規格の長さ2991mm10ftコンテナとは全くの別物です。
2種が昭和47年(1972年)登場の12フィート5tコンテナで、長さ3658mm×幅2438mm×高さ2438mm以下で総重量は6.8t以下。高さは国鉄末期に2500mm以下に。
3種がISO規格1C形海上コンテナを元にした20フィート10tコンテナで、長さ6058mm×幅2438mm×高さ2438mm以下です。総重量は元は12.3t以下だったのが国鉄末期に13.5t以下に、高さも2500mm以下になりました。
なお、鉄道コンテナは5トンコンテナ、10tコンテナなどと呼ばれていますが、総重量は荷重と自重を足したものなので、箱が軽ければその分多く積めて、重ければ あまり積めない理屈になっています。
JRになってから長さ30フィートの4種が制定されました。寸法は長さ9125mm×幅2438mm×高さ2500mm以下で、大きさの割に総重量は13.5tまでで L10トンコンテナと称されました。
以上は旧規格で、荷役機械の整備等 周辺環境の変化で平成8年(1996年)に規格の再編が行われました。
新1種が12フィート5tコンテナで、長さ3715mm×幅2450mm×高さ2500mm以下で総重量は6.8t以下。
なお、幅は当初2500mmを考えていたようで、その寸法で平成6年(1994年)に19A形式が登場しているのですが、トラック輸送時に制限があるため 規格が若干狭められました。
しかし、新2種、新3種より狭幅なのは なぜでしょう?
幅が2500mmの19A形式には特別大型コンテナ表示は無く、幅2450〜2490mmの12ft私有コンテナには わざわざWの表示を描かせています。
新2種は、20フィート10tコンテナで、長さ6058mm×幅2490mm×高さ2500mm、総重量13.5t以下です。
新3種は、30フィートコンテナで、長さ9125mm×幅2490mm×高さ2500mmで、総重量は 晴れて18.5t以下に拡大されました。
この他 40フィート級の基準もあり、長さ12192mm×幅2490mm×高さ2600mmで、総重量は30.48t以下です。
20,30,40ftの規格は、同等のISO規格海上コンテナより少し 幅と高さが大きめなのが特徴です。
これは、フィートをメートル換算に馴染ませている他、コキ50000系に載せた時、積載限界内(第3貨物積載限界)目一杯の大きさにしたためです。
ところで、国鉄時代から 規格外寸法のコンテナが存在しました。
24フィートコンテナ等ですが、JRになって私有コンテナがますます盛んになって規格外が増える事が見込まれたため、それらは大型コンテナと呼ばれる事になりました。
大型コンテナの中でも 貨車に積んだ時に第3貨物積載限界を超えたりするものは、特別大形コンテナと呼ばれ 特大貨物に準ずるものとして扱われます。
特大コンテナを運ぶ場合は 事前に走行線区や使用貨車等を審査して、許可されたものだけが輸送できます。
逆に言うと、特別大形コンテナは、コンテナ車に載る寸法・重量で、建築限界内に収まるサイズなら「良し」としています。 ※ 荷役機械の配備状況にも考慮が必要。
先に書きましたが、特大コンテナは 走行線区や積載車両が制限されるため、コンテナ側面に寸法・重量を表記すると共に「コキ50000積載禁止」等と書かれ、目印として 下絵の特別大形コンテナ表示が掲示される事になりました。
Hが高さ、Lが長さ、Wが幅、Gが総重量を表し、例えば高さだけ規格外の場合はL,W,Gの部分は黒で塗りつぶされて表示されます。
なお、この表示は常時鉄道輸送を利用するコンテナに目印として表示するもので、海上コンテナには特に表示しません。
特別大型コンテナの表示がされていても 特大扱いにならない場合は、特別な手配無く 自由に輸送できます。
30フィート 有蓋コンテナ
JRになって すぐさま登場したのが30フィートコンテナ。通称L10トン(長い10t)コンテナです。
30フィートコンテナは、海上コンテナの世界では全く流行りませんでしたが、国内輸送では大形トラックの荷台とほぼ同じ大きさなので、使い勝手が良いです。
今まで なぜ作られなかったかというと、高価な荷役機械の配備が進まなかったためです。
国鉄時代は門形クレーンにより30フィート海上コンテナの荷役も考えられたようですが、頓挫しました。
そこでJR貨物は 港湾で使われていたトップリフターを導入したわけですが、高価なため なかなか配備が進みませんでした。
また、大型荷役機械や大形コンテナを取り扱うには、駅構内の補強工事や空コン置場の確保も必要です。
現在では ようやく各主要駅に配備されるようになりましたが、JRが導入したおかげでトップリフターそのものも進化しているようです。
JRの30フィートコンテナの下部緊締用隅金具は、コンテナ車にあわせて20フィートコンテナと同じ間隔に付いていて、2組か3組分が色分けされて用意されています。
上部(下部の両端も)の緊締用隅金具は、ISO 30フィート海上コンテナと同じ間隔です。
空コンテナの場合は、10トン用フォークリフトで荷役できます。
なお、上の項で説明したように平成8年(1996年)から 総重量の規格が18.5t以下に拡大されました。
31フィート 有蓋コンテナ
一応JRとしては ISO海上コンテナの1B型と寸法を合わせて30フィートコンテナを規格化したのですが、これをコンテナ車に載せた場合は まだ長さ方向に大きく余裕があり、すぐに規格外の31フィートコンテナが登場しました。
上の項で30フィートコンテナが大形トラックの荷台とほぼ同じ大きさと書きましたが トラックの方も年々大型化しており、実際には やや容積が不足していたのです。
31フィートコンテナの全長は9410mmで、厳密には31フィートでは無いです。これはISO規格化されていないので、上部緊締用隅金具は、30フィートコンテナと同じ間隔にして、従来の荷役機械が使えるようにしてあります。
ところで、30・31フィートコンテナは さまざまな運送会社が導入したわけですが、一口に運送会社と言っても、それぞれ得意分野があり、それによって好みのコンテナに違いがあります。
下記のウイングルーフコンテナの登場などもあったため、通常タイプの31フィート有蓋コンテナは 30フィートのものより種類が少ないようですね。
脚付きコンテナ
欧州では スワップボデーコンテナというものが発達しています。
これはトラックの荷台をコンテナ化して、トラックのシャーシの使い回しを可能としたものです。
海上コンテナが米国で陸海一貫輸送のために生れたのに対して、それとは別系統の進化を辿りました。
海上コンテナとの違いは、重ね積を考慮しないので強度が弱くて軽量で、まさにトラックの荷台に毛が生えたようなものだと言えます。
多くのスワップボデーコンテナは、客先でコンテナ用荷役機械を使わずに留置できるように、折り畳み式の脚を備えています。
その際は 車高を調整できるエアーサスペンション等を装備したトラックが必要です。
鉄道車両への荷役には、上から箱を掴み取る感じの特殊なアダプタ(グラップラアーム)を取り付けたトップリフタが主に用いられます。
それを載せる貨車は、連結器緩衝器の容量を大きくしているようです。
20世紀末。日本でもスワップボデー方式を普及できないか 研究されました。
JRのコンテナは海上コンテナと同じ系統で進化したので頑丈ですが、スワップボデーコンテナなら箱を軽量化した分、多くの荷物を積めます。
そこでU51D形式が試作されましたが、結論から言うと失敗でした。
当初から予想されていた事ですが、このコンテナは上部に吊上げ用の金具が無くて専用の荷役装置が必要で、また、鉄道で使うには強度が不十分だったのです。
使い勝手を考えて日本流にアレンジすれば、結局重量が増えて 鉄道コンテナと差がなくなります。
欧州のように海上コンテナと平行して導入されていれば荷役装置のデメリットも補えたのでしょうが、そもそも国鉄のコンテナは突放入換を考慮して頑丈な方向で発展しましたから、日本に向いていなかったの一言に尽きます。最近は本場欧州のスワップボデーコンテナも 構造が海上コンテナ化しているそうです。
ただ、スワップボデーコンテナの研究の名残として、脚付きコンテナが生まれました。
専用トラックが必要で、軽量化と逆行して輸送中に脚の分が死重になりますが、そこそこ需要があるようです。
二段床式 バイク輸送用コンテナ
このコンテナは一見して普通の有蓋コンテナですが、オートバイ輸送用として特殊機構を備えています。
具体的にはオートバイを沢山積めるように 内部が2階建てになっているのですが、腰を屈めないで荷役ができる工夫が施されています。
荷役の際には、まず中床を下降して上段のバイクを積載。
上段分が積み終わったら側面のルーフロックハンドルを解除して、油圧とワイヤーのカラクリで 中床を上昇させるとともに 屋根も水平に600mmほど持ち上げます。
そうする事で下段の荷役スペースを確保してバイクを積載して、バイクをぎっしり積めたら 屋根と床を定位置に戻します。
また、中床を下げれば、普通の有蓋コンテナとして使えるので、帰り荷の積載が期待できます。
31フィート ウイングルーフコンテナ
昭和60年代にもなると国内流通業界でパレットの使用が定着し、主に物流拠点間を結ぶ大型トラックに ウィングルーフタイプのものが増えてきました。
いままで妻扉から小形フォークリフト、もしくは人力で ちまちま荷役していたものを、パレット化した荷物をトラックの横からフォークリフトで荷役するようになったのです。
31フィートコンテナは 10tトラックと同サイズですから、時を経ずしてウィングルーフコンテナが登場するのは必然でした。
側面を開扉する方法は、通常のドアタイプだと大きな展開スペースが必要ですし、引戸タイプだと同時全開できません。
対して屋根と側面が一体となったウィングルーフタイプは展開スペースが小さく済み、全開できます。
ただ、ウィングの開閉するための油圧装置の駆動には トラックからの電源供給が必要です。(非常時用の手動ハンドルでも開扉できますが、大変です。)
コンテナで当初製作されたのは 上絵↑のように トラックの荷台と同じ構造で、側面下部分が煽戸になっているセミウィングタイプです。
ただ、煽戸はトラックのシャーシに載った状態なら良いのですが、コンテナを地面に置いた状態だと開扉に難点があります。
また、軽量化のためアルミ製なのですが、基本的に2段積み禁止で、上に他のコンテナを載せると屋根が傷つく恐れがあります。未使用時の置き場所に困ります。
そこで頑丈な鋼製フルウイングルーフコンテナが、平成12年(2000年)に開発されました。
従来の煽戸部分は 折り畳み式にウイングルーフと一体化しています。
見ての通り屋根の高さ(=容積の差)が いろいろありますが、屋根が高ければ良いというものでもなく、背高だと低床トラックを用意せねばならず、コキ50000形積載の場合は運用区間に制約があります。
また、主要な積荷がロールボックスパレット化されている場合 天井を高くしてもあまり意味がないので、背の低いタイプも並行して製作されています。
エコライナー31は日通のウイングルーフコンテナです。
スーパーグリ−ンシャトルのコンテナは、平成18年(2006年)3月から東京貨物ターミナル駅〜安治川口駅で運転されているシャトル列車に使われているものです。
大形コンテナは単一荷主だと帰り荷が確保しにくく 片道輸送になりやすいです。
そこで、不特定多数の顧客が31フィートコンテナを気兼ねなく使えるように 通運会社がコンテナを用意して帰り荷の調整をやり、JR貨物が東海道にシャトル列車を運転する事にしました。
この列車はスーパーグリ−ンシャトルと呼ばれ(愛称は みどり号らしい。)、JR貨物と全国通運連盟が共同で運行しており、コンテナは全国通運と日本通運が所有しています。
トヨタのコンテナは 平成18年(2006年)11月から名古屋南貨物駅〜盛岡貨物ターミナル駅に運転(現在は2往復)されている トヨタ ロングパスエクスプレスに使用されているものです。
この列車は、トヨタ自動車の愛知県周辺の工場と岩手県の工場間で自動車部品を運ぶもので、トヨタの貸切列車です。
このような自社工場間の貸切列車は、まるで1つの工場内のベルトコンベアのような役割をするので、列車遅延や突発的運休は厳禁です。また、輸送中も一時保管倉庫の役割を果たしています。
31フィートコンテナは本来私有コンテナの領域でしたが、JR貨物も平成24年(2012年)から参入し、48A形式、49A形式が製作されました。両者は内容積が違うだけで 外見はほぼ同じです。
31フィート オープントップコンテナ
これは、植木の長距離輸送用の31フィート無蓋コンテナで、日除けのためにメッシュ状の開閉天蓋が備わっています。
31フィート 冷凍・定温コンテナ
31フィートの冷凍・定温コンテナです。
冷凍機付きコンテナは当初は冷凍コンテナと呼ばれていましたが、室内を−25℃から+25℃までの設定温度に保つ事ができるので最近は「定温コンテナ」と呼ばれています。海運業界では「リーファーコンテナ」と言いますね。
上段に描いたのが登場当時、初の全規格突破の特別大型コンテナとなったもので、特大コンテナ表示をフル掲示しています。
しかし、この当時は旧4種規格であり、現在に同様のコンテナを作ったとしてもフル表示には なりません。また、私有コンテナは同一形式・番代内で さまざまな仕様があるため、一見形が似てても 特大コンテナ表示が違ったりします。
JRで現在運用されている冷凍・定温コンテナは、外部電源が必要が無いように発電機を積んでいます。ただ、青函トンネル内は火災防止のためエンジン稼働禁止なので、青函トンネル対応の地点自動検知や遠隔操作で冷凍機のエンジンを入り切りできる装置を備えた専用コンテナが用意されています。
そういった装置が無くて本州から北海道に定温コンテナを運ぶ必要がある場合は、船便を利用しています。
マグロの絵が描かれているやつは、冷凍機を強化して室温を−30℃まで冷却可能な 冷凍マグロ輸送用コンテナで、ガチガチに凍ったマグロを積むために各部が頑丈に作られた特注品です。
30フィート LNGタンクコンテナ
産業構造の変化から重油の消費 減の流れができて久しいですが、最近は重油や石油ガスから天然ガスへの転換が加速しています。
これには2つ理由があり、まず価格。
・天然ガスは産出先が各地に分散しているため原油より価格変動が少なく、また今後メタンハイドレートが実用化するので、ますます価格が安くなる事でしょう。供給が途絶えるリスクも少ないです。
そして、環境対策。
・天然ガスは重油燃料はもちろんのこと、石油ガスよりもCO2の排出量が少ないです。なにより天然に産出し続けるメタンガスが主成分で、このメタンガスは二酸化炭素よりも温暖化に悪影響しますので、燃やしてやった方が環境にいいです。
天然ガスは気体の状態からマイナス162度に冷却して液化すると、体積が600分の1になり輸送効率が良くなります。この状態を液化天然ガス(LNG)と言います。
ちなみに、石油ガスのプロパンガスはマイナス42度もしくは8.5気圧で液化し、カセットコンロのブタンガスはマイナス0.5度もしくは2.1気圧で液化して体積が250分の1になるので、この液化石油ガス(LPG)は、天然ガスよりも貯蔵・運搬が簡単です。
天然ガスは液化が大変なので、一般的に高圧の状態でガスパイプラインによって輸送されます(都市ガス)。
都市ガスは、沿岸では海運で、内陸部でも関東甲信越には新潟と東京のパイプラインの幹線が古くからありますが、沿岸受け入れ施設が無かったり、パイプライン幹線に接続していない一部地域の都市ガス用にLNGの鉄道輸送が始まりました。
この輸送に使われるLNGタンクコンテナは、マイナス162度冷却されたLNGを運ぶので真空断熱構造となっていて、片端に荷役装置が備わっています。絵に描いたコンテナは荷重10.5トン・総重量20.0トンです。
色は容器保安規則により 灰色を基調としていますが、現行法ではタンク表面積の2分の1以上灰色なら良いようです。
なお、高圧ガスタンクコンテナを取り扱う駅構内には、高圧ガス貯蔵所として 専用の留置区画を設ける必要があります。
シーランド型海上コンテナと、マトソン型海上コンテナ
海上コンテナ輸送というものは、トラック会社経営者に買収されたシーランド・サービス社(パン・アトランティック汽船)が1956年(昭和31年)に始めました。
当初は、トラックをそのまま船に乗せて港湾での荷役の手間をはぶいて、いわゆる戸口から戸口への陸海一貫輸送を実現する構想でした。
この方式は現代のRORO船に受け継がれていますが、さらに船の積載効率を追求してトラックのシャーシから荷台を分離して、荷台だけを船に載せたものが海上コンテナ輸送です。
コンテナの長さは当時のアメリカのトレーラーの最大のものに合わせて 35ft(もしくは33ft。)で、幅は8ft、高さは8ft6.5inとしました。
当初 コンテナの荷役は船に設置したガントリークレーンによりましたが、試行錯誤の末、既にこの頃には現在の海上コンテナと同じ 隅金具による緊締方式が開発されているようです。
この35ftコンテナはシーランド型と呼ばれる事になりますが、同社の守備範囲は主にアメリカの大西洋岸でした。
シーランド・サービス社にやや遅れて1958年(昭和33年)。太平洋岸では船会社のマトソン社が 海上コンテナ輸送を始めました。
こちらは港湾での荷役費の高騰に悩んで 荷役の機械化・規格化を推し進めたものです。
従来の貨物船というものは 船上に林立したクレーンが特徴で、それらを使い 一個一個手作業で荷物を下ろしていたのですが、当然 ものすごく人手を要し、時間も掛り、はしけ等の支援船や一時保管のための倉庫群も必要でした。
そこに規格化されたコンテナを用意し、岸壁にガントリークレーンを整備し、各種コンテナ用荷役機械を開発したのがマトソン社です。
コンテナの寸法は、長さ24ft、幅8ft、高さ8ft(もしくは8ft6.5in)です。
その後、海上コンテナ輸送は一気に全世界に拡大し、シーランド型とマトソン型を元に制定されたのが、現在のISO規格海上コンテナです。
絵は、左がシーランド型。右がマトソン型。 ※ この辺りの解説は「世界の艦船」誌663号を参考にしました。
ISO 20ft/40ft 海上コンテナ
1960年代に入ると関連業界では 35ftのシーランド型と24ftのマトソン型を主体に、互換性を考慮しない さまざまな規格を持って海上コンテナ輸送を始めました。
そこで、米国運輸省の働きかけで国際標準規格化するための討議が国際標準化機構(ISO)によって繰り返され、紆余曲折の末1970年(昭和45年)に関連規定が出揃いました。
以下にISO規格化されたコンテナを羅列しますが、基本的には40フィートコンテナを基準として、10フィート単位の各サイズがあります。
幅はどれも共通で8ft(2438mm)です。
まず、20フィートコンテナは、長さ19ft10.5in(6058mm)、総重量30480kgです。
長さが きっかり20ftじゃないのは2個連結して40ftコンテナとして扱うため、連結金具の分を引いたためです。
この20ftコンテナ1個を「1TEU」と言い、コンテナ船の積載能力を表す数値となっています。5000TEUの船ならこのコンテナが5000個積めます。
高さは8ft(2438mm)で極初期の主力の1C型と、現在主力の8ft6in(2591mm)の1CC型があります(↑絵の左端2個が1C型。)。
総重量(荷重+自重)は、当初20320kgだったのが 24000kgになり、2005年(平成17年)改正で40ftコンテナと同じ総重量30480kgになりました。
総重量に関しては 日本ではISO規格の改正に追随して国内法の改正をしていますが、日本の道路を走れるのは24000kg(タンクコンテナのみ可)までです。
最近、海上コンテナの鉄道輸送が活性化してきましたが、これはJR貨物が地道に準備してきたもので、海上コンテナを輸送できるコンテナ車(100系200系)を量産し、高価な大型荷役機械も各地に配備し、また、道交法の車輌制限令の改正等、最近の規制緩和で輸送環境が整ったので、始められたものです。
40フィートコンテナは、長さ40ft(12192mm)、総重量30480kgです。
このコンテナもコンテナ船の積載能力を示す基準として使われる事があり、40ftコンテナ1個を「1FEU」と言います。つまり1FEU=2TEUです。
高さは、極初期の主力が8ft(2438mm)の1A型。2000年代始めまで主力だった 高さ8ft6in(2591mm)の1AA型。現在主力で高さ9ft6in(2896mm)の1AAA型に分けられます。
絵に描くと↑のようになり、上段が高さ8ft6in(2591mm)の1AA型、下段が高さ9ft6in(2896mm)の1AAA型です。中段は1AA型のオープントップコンテナ。
時代と共に 高さが徐々に高くなっているのは、各国の道路事情の改良によるものです。
1AAA型は背高(High Cube)コンテナとか「クンロク」の愛称で呼ばれていますが、世界に流通する個数は 今やハチロクを抜き、こちらが主流となりました。
しかし まだすべての国の道路で 自由に背高コンテナが運用出来る訳ではないので、見分けやすいように 上部に黄色と黒のゼブラ帯を巻いたりして注意喚起しています。
現在 日本では指定道路に限り1AAA型コンテナまで自由に運用できます。
この他、絵に描きませんでしたが、30フィートコンテナが 長さ29ft11.25in(9125mm)、総重量30480kgで、1B〜1BBB型で規格化されていますが、全然普及していません。
また、10フィートコンテナが 長さ9ft9.75in(2991mm)、高さ8ft(2438mm)、総重量10160kgの1D型として規格化されており、これはある程度 流通してます。
普通の有蓋海上コンテナはドライコンテナと呼ばれます。
日本の汎用鉄道コンテナは、結露防止の観点から吸湿効果を期待して内張のべニア板が張られていますが、海上ドライコンテナの場合は内張りなど無く、鉄板剥き出しです。
これでは室内温度上昇や、結露が心配なので、ほとんどのドライコンテナに申し訳程度の簡易通風口が備わっています。
しかし、そもそもせいぜい2〜3日で目的地に到着する日本の汎用鉄道コンテナと、海を渡ってはるばる来る海上コンテナでは、主要な積み荷が異なり、鉄板1枚で問題ないのです。
温度管理が必要な貨物は、↑のようなリーファーコンテナが使われます。
側面の絵では分かりませんが、妻扉の反対側の妻面に冷凍機が埋め込まれています。
当然断熱構造になっていて、−25℃〜+25℃まで一定に保ちます。
日本の鉄道の定温コンテナは 運用の柔軟性を考慮して発電エンジンを備えていますが、海上リーファーコンテナは外部から200Vか400Vの電力の供給を受ける構造です。
そのため、船や港には電源施設があります。リーファーコンテナ用のトラックにも当然電源がありますが、鉄道で運ぶ場合は 別途 電源コンテナを用意する必要があります。
UG15D形/ZG15B形 電源コンテナ
UG15D形電源コンテナは、海上コンテナ輸送の拡大を視野に入れてリーファーコンテナ用の電源として製作されました。
ディーゼル発電機を搭載し、200Vか400Vを電線でリーファーコンテナに供給します。コンテナ規格はISO 10ftコンテナと同じです。
25個が製作され、平成24年(2012年)から主に東北筋で運用を始めました。
ただ、今のところ供給過剰だったようで、実運用に就いているのは数台のようです。
また、このコンテナはのちにJR貨物籍となり、ZG15B形に改称されました。
ISO 45ft海上コンテナ
コンテナというものは大型化したくなるもののようで、1980年代に米国内輸送用として45フィートコンテナが登場しました。
当初はアメリカ・カナダの鉄道や道路輸送限定でしたが、船会社も普及を働きかけ、まず相手国の港まで乗り入れ(港で他のコンテナやトラックに積み替え。)させて実績を作り、次に相手国の内側まで入り込めるように道路関連法の規制緩和を迫り、徐々に勢力を拡大していきました。
そしてついに 2005年(平成17年)の改正でISO規格化入りを果たしました。
45フィートコンテナは、長さ45ft(13716mm)、総重量30480kgで、高さ8ft6in(2591mm)の1EE型と、高さ9ft6in(2896mm)の1EEE型が規格化されました。
現状は すべて背高の1EEE型のようです。
ISO規格化されたものの、多くの国で道路事情の関係から まだ45ftコンテナには運用に制限があり、日本でもほとんど普及していません。
また、船の構造も20ft/40ftコンテナ用に作られており、45ft以上の長さのコンテナは積載場所が限られるので、世界のコンテナの割合としては数%しかありません。
そもそも、荷役機械の能力や隅金具の強度の関係で海上コンテナの総重量は30480kgに抑えられており、コンテナのサイズを大きくすればする程 構体の自重が増えて、逆に荷重が減ってしまっています。
だから大型コンテナは軽量嵩高貨物用として、20ftコンテナは少量・重量貨物用として使い分けがされています。
48ft/53ft海上コンテナ
大陸は土地がいっぱいあるので コンテナは どんどん肥大化します。
48ft(14630mm)コンテナが登場したと思ったら、すぐに53ft(16154mm)まで大きくなりました。
長さだけではありません。幅も48ft/53ftコンテナは8ft6in(2591mm)と ふくよかになり、53ftコンテナに至っては高さ9ft8in(2946mm)のものまであります。
総重量は やっぱり30480kgで、なるほど、意外と軽量な貨物需要が多いい事が読み取れます。
ただ、さすがに大きすぎ、中国で製作された53ftコンテナが船積で北米大陸に輸出のついでに荷を載せている以外は、アメリカ・カナダの鉄道/道路輸送限定といって良いものです。
ロシアとかでも普及していないようなので、道路輸送も困難なサイズなのでしょう。
幅と高さが通常のISOコンと同じなら、53ftでも日本で鉄道輸送出来るのですが・・・。
ISO規格 20ftタンクコンテナ
ドライコンテナがあれば 当然 タンクコンテナがあるわけですが、海上コンテナに占める割合は わずかです。
日本では、JR貨物の私有貨車コンテナ化を契機に、ISO規格の20ftタンクコンテナが一挙に増えました。
※貨車の絵その11のコキ200形を参照してください。
これら20ftタンクコンテナはISO規格で作られたため、海上コンテナとして登録されましたが、登場初期は何を積んでいるか日本語で書かれていませんでした。
それでは鉄道輸送時に不便なので、今では正式に私有コンテナとしてJRに登録されて、JRタンクコンテナに準拠した表記も追記されているのものが多いです。
化成品のタンクコンテナの特徴は、積荷に ものすごく たくさんの種類がある事で、当初は積荷に合わせて専用のコンテナを設計していたので いろいろな形態がありましたが、現在では規格化が進んでいます。
また、製作メーカーも限られるので、画一化されてきました。
大抵の化成品タンクコンテナは、純度保持のためステンレス製のタンクで 断熱のためのケーシングを巻いていて、蒸気過熱管を備えています。
この装備に ある程度のオプションを加えれば、多くの化成品に対応できます。
積荷の比重は様々ですが、出来うるかぎり共通の部品を採用して標準化しています。
また、コンテナのメンテナンス設備は規模が大きい方が良いので、化成品タンクコンテナはコンテナリース会社が所有するものが多いです。
上にたくさん描いたJOTでは、タンクの容積に応じてコンテナフレームの色を変えています。
ピンクが11000リットル、濃緑が14000リットル、オレンジが17500リットル、黄が18000リットル、紫が20000リットル、青緑が21000リットル、青が24000リットル、赤が26000リットルです。
基本的には 容量の大きいものが低比重の積荷です。
ただ、積荷と容量の関係には ちょっとややこしい問題があって、コキ200形式には 総重量30480kgの20ftコンテナを1つ積めますが、法律上 道路輸送できるのは総重量24000kgまで。
コキ200形は 総重量24000kgの20ftコンテナなら2つ積めるので、その方が輸送効率良いです。
しかしトップリフタやトラックの能力不足からか、コキ106/107形を使うのか、総重量20000kgや20320kgでの輸送が多いいようです。もちろん、1口当たりの需要の関係もあります。
というわけで、JOTのタンクコンテナは 同じ積荷で違う色のコンテナがあるのでした。
こちらは、タンカートレインに併結されてメタノール輸送をしているやつ。
倉賀野の石油中継基地の重油タンクの需要が減ったので、活用方法を考えていたところに、メタノールの一時貯蔵の話が来たので、新たにメタノールタンクが建設されました。
輸送はタンク車を使う事も検討されましたが、工場には専用線が無いのでタンクコンテナを利用することとし、川崎の工場〜川崎貨物駅はトレーラー輸送、川崎貨物〜倉賀野間を鉄道輸送して基地に一時備蓄し、タンクローリーで適宜消費工場に輸送するという事をやっています。
倉賀野ではタンク車と編成のまま、基地の荷降ろし設備を使ってコキ200形から車上降ろしをするため、通常のタンクコンテナと異なり側面(片面)に液出口があります。
ISO規格 フラットラックコンテナ
フラットラックコンテナはクレーン荷役できる無蓋コンテナとして、または、高さや幅がISOコンテナの規格に収まらない貨物を運ぶために使われます。
また、側壁や屋根がない分 構体を軽くでき、ISOコンテナの総重量内で重量貨物の積載にも適しています。
コンテナに収まらない貨物は、昔ながらの汎用貨物船を利用するのが一般的でしたが、荷役や用船のコストが掛かります。
フラットラックコンテナは、ISO海上コンテナの規格を利用する事で 定期航路の多いコンテナ船に積むことができ、コンテナ用荷役機械を利用できるメリットがあります。
特に幅や長さが大きな貨物の場合は、何基もフラットラックコンテナを連結して使うという方法も取れます。ただしコンテナ船への積載場所は制限され 割増料金となります。
通常のフラットラックコンテナは、↑右絵のように妻枠を折り畳めて、回送の際は積み重ねて輸送できます。
また、長さや高さが伸縮するフラットラックコンテナもあります。
12ft鉄道コンテナ輸送用 ISO 40ftフラットラックコンテナ
国鉄・JRの鉄道コンテナはごく少数ですが、島嶼部や海外へも運ばれます。
主にフェリーが利用されますが、12ft鉄道コンテナの規格は日本独自なため、運ぶのにいろいろ制約があります。
この40ftフラットラックコンテナは、JR規格の鉄道用12ftコンテナを海外輸送する際に、コンテナ船や、相手国のコンテナ車を利用するために生まれたものです。
見てのように12ftコンテナを3個積載できます。
12ftコンテナの緊締はJRタイプの5t緊締装置か、12ftコンテナの下部隅金具を利用したツイスト緊締装置のどちらかで行います。
各々の緊締装置は不使用時は倒して格納できるようになっております。
JRタイプの5t緊締装置だけで良いような気がしますが、日通系は内航輸送用に12ftコンテナを利用しているので、それも運べるようにしたのでしょう。
で、折角のJRタイプの5t緊締装置ですが、今やJRの12ftコンテナは下部隅金具が標準装備ですので、最近は主にツイスト緊締装置を使っています。
5t緊締装置は重たいので、撤去してしまっているものもあるようです。
このフラットラックコンテナは 12ftコンテナ以外の貨物をあまり考慮していないようで、床幅も狭く、また、妻枠も折り畳めません。
あと、鉄道用12ftコンテナ積載用と言っても、背高タイプのコンテナの利用には制限があります。
JRコンテナの海外進出を期待されたこのフラットラックコンテナですが、東日本大震災の製紙工場復興に際して専用線の復旧が間に合わなかったため、海上コンテナトラックと組み合わせて、代行鉄道コンテナトラックの代わりにも利用されました。
また、国内島嶼部へのJRコンテナ輸送にも使われています。
自衛隊の海上コンテナの利用
21世紀に入ると自衛隊でも海上コンテナの利用が目立つようになりました。
それら海上コンテナは 多くの場合民間からのリースによって賄われていましたが、自衛隊の海外展開が増え、また支援機材も充実してくると、自前で海上コンテナを保有するようになりました。
日の丸と陸自の英語表記が目立つのは、中央即応連隊が海外派遣、中でも主に災害派遣や国連平和維持活動(PKO)用に用意した自活用のコンテナ。
このコンテナは輸送機材というよりコンテナハウスで、洗濯機をたくさん積んた洗濯コンテナ、お風呂替わりのシャワーが並んだシャワーコンテナ、焼却炉を積んだ廃棄物処理コンテナや汚水処理コンテナなどがあります。
中央即応連隊は 何かあったらすぐに海外に飛ぶ部隊で、後続部隊のためにも宿営基盤整備が急がれるので、これらコンテナを持っていって迅速に宿営地を構築します。
日本の自衛隊が来たという現地へのアピールのためにも、日の丸の表記が役に立ちます。
これらコンテナは、用途によって いろいろな外観があります。
最近、貨物列車でよく見かけるこのコンテナは、自衛隊の隊内物流用のコンテナ。
自衛隊は昔から武器弾薬や機材の輸送に民間業者や鉄道を利用していましたが、このコンテナの登場については ちょっと違った意味合いがあります。
自衛隊は全国組織なので平時でも駐屯地・基地間の業務輸送量は膨大な物であり、あまり知られていませんが、頻繁に定期輸送便を走らせています。
輸送部隊のトラックによる輸送はもちろん、輸送機などを使った定期航空便(毎日同じ時間にあなたの街の上空を飛ぶアレ。)も多数あり、空きがあれば異動・転勤者の引越貨物も取り扱います。
これらの輸送業務は訓練の一環でもあるので、今までは陸海空3自衛隊が、もしくは各部隊が各々独自の物流(兵站)網を構築していました。
ところが近年は自衛隊の活動範囲・業務量も増えて忙しくなったので、これら定期便の効率化が模索され、まずは陸自の中央輸送隊が「全国物流便」という物流網を構築しました。
自衛隊は3自衛隊の統合運用化を急速に進めていますので、平成31年(2019年)からは この陸自全国物流便を 海自や空自も利用するようになりました。
そして、この定期便の長距離区間について、令和2年(2020年)から貨物列車の定期利用が開始され、自衛隊内で20ft海上コンテナや輸送用トラック、大型フォークリフトが増備されたわけです。
また、こうして平時から民間輸送力の活用をする事によって、有事においても容易に輸送力増強ができます。
この陸自全国物流便用コンテナは、不整地対応で腰高な陸自車両に合わせて 背が低いのが特徴です。
このコンテナは主に雑多な荷物を積むもので、火工品や弾薬などは普通の12ft汎用コンテナなどで日常的に運んでいます。
内航用コンテナ
内航用コンテナとは 国内の海上輸送路線に運用するコンテナで、役目としては2種類あり、拠点間の幹線航路用(協同一貫輸送用)と、島巡りの島嶼航路用に分けられます。
そんな内航コンテナは、2〜6t積の小型なコンテナが愛用されています。
もちろん内航用に20ftコンテナとかも使いますが、それはもう海上コンテナと同じ規格なので、いかにも内航用と言ったらこのような小さなコンテナです。
海上コンテナと同じように海を往くコンテナですが、一般に日用品や生活物資を運ぶ事が多いので、海上コンテナに比べて通風や断熱を強化した仕様となっています。
中でも島嶼航路用のコンテナは、岸壁での荷役簡素化が主目的(航空コンテナと同じような感じ。)で、岸壁の自社施設でコンテナに荷を積み込むことが多く、港から遠くに運びませんし、基本的に自分とこの船にしか載せない運用なので、ISO規格に捕らわれないで好き勝手なサイズのコンテナを使っている事も多いです。
扉の開閉ハンドルは、トラックシャーシ上での荷役を意識したものは位置が低く、地面に置いた状態での荷役を優先したものは位置が高いです。このような外見からも そのコンテナの運用形態を垣間見ることができます。
内航用10ftコンテナは、10ftISO規格海上コンテナを基本としたもので、2つまとめて20ftコンテナ、4つまとめて40ftコンテナ同等として荷役や輸送ができるメリットがあります。
内航用12ftコンテナは鉄道コンテナと同サイズで、日本の商取引に適したサイズ。日本通運がヘビーユーザーですが、一部船社、官公庁などでも愛用されています。
離島航路等では10ftコンテナが多く使われていますが、必ずしも使い勝手の良い大きさではないので、微妙にサイズアップした独自規格のものを使っている船社や、12ftコンテナや背低コンテナなどを混用している船社もあります。
これら内航用コンテナは、異形なISO規格外のものも含めて、海上コンテナとして登録されているものもあり、稀に鉄道コンテナとして登録されているものもあります。
船への荷役方法はクレーンやフォークリフトを使うほか、構内トレーラーに載せてRORO荷役する方法もあります。
フェリーなどの場合、海上コンテナのように規則正しく枠にはめて高く積み上げる事は少ないので、意外とバラバラなサイズが混在していても運用上問題ありません。
絵は何例か描きましたが、中小船社の場合 コンテナの大量増備は難しく 小ロット毎の製造になりますので、導入年によっての仕様変更も良く見られます。
外装デザインとしては 主に船会社のコンテナ達なので、旗が描かれている事が多いですね。
航空コンテナ
航空コンテナは、複合一貫輸送の海上コンテナとはコンセプトが違います。
航空貨物でいちばん重要なのは、重量の管理です。
航空機は機内の場所によって 貨物を積める重さや大きさが異なるため、事前に荷物一個一個きちんと重量を測定し、パズルのように組み合わせて積載計画を立て、順番通りに積み込む必要があります。
なので、他の輸送モードに比べて、荷役に時間がかかります。
しかし航空会社はなるべく航空機を有効活用したいので、駐機時間を短くするのが理想です。
そこで、荷役時間を短くするために考えだされたのが 航空コンテナで、これは空港内の専用荷役設備とセットになって初めて機能します。
航空機用のコンテナ・パレットはULDとよばれ、曲面構成の航空機貨物室に合わせ各種ありますが、ISO規格化されているのでボーイングでもエアバスでも供用できます。
航空機積載に特化し、軽合金などで作られた華奢な設計となっています。
いちばん使われているのは パレットタイプのもので、荷物を山積みする味気ないものです。
有蓋タイプでは ワイドボディ機の床下貨物室用のAKE(LD-3)という型式がいちばん多く、旅客ターミナルでも良く見かけます。
絵は左がドーリーという台車に載った状態のAKE(LD-3)、右はAKEの倍サイズのALF(LD-6)。
自衛隊 人命救助システムI型
平成7年(1995年)に発生した阪神淡路大震災では、自衛隊が災害派遣されましたが、当時は過度な法的抑制から自衛隊の出動がうまくいかず、また、装備も、あり合わせのものを持ち出すだけで精一杯でした。
そこで急ぎ各種法令が改正されて、災害派遣が自衛隊の本来業務に据えられ、徐々に自衛隊の早期派遣体制が確立されてゆきました。
災害派遣装備については、従来の災害派遣では自衛隊の陣地構築用などの戦(いくさ)のための資材等を転用して、その都度かき集める感じでしたが、それでは早期出動できませんし、あくまで装備の応用使用であって、必ずしも現場で要求されているものは揃っていませんでした。
特に一刻を争う人命救助のためには、前もって救難機材を揃えて置く事が肝要であり、法的根拠の確立に伴って実現したのが、人命救助システムです。
人命救助システム(のちのI型)は、20ftの拡張式コンテナ(ISO規格海上コンテナの1C型や、当時の鉄道用20ftコンテナと同サイズ。)に各種救援機材を収めて置き、いざ出動の際は専用のコンテナ牽引装置(ドーリー)に吊るされてトラックに牽引されます。
現地に到着すると、コンテナを枕木等で水平にした地面に降ろし、ドーリーを分離、煽り戸になっているコンテナの側壁を倒して床にする感じでテントが展張されて、救護所などに活用されます。
内部には隊員100名分の救難機材(基本的に消防のレスキュー隊が持っている物と同等のもの。)が揃っています。またコンテナには簡易なトイレと洗面台も備わっています。
コンテナは陸自の7tトラック(特大型トラック、最大積載重量9.8t)に載せることもできますが、その場合は降ろすためのクレーンやフォークリフトを現地に用意しなければならないため、特殊なコンテナ牽引装置を用意しました。
この牽引装置は、鉄道車両で言うところの吊掛式(シュナーベル式)大物車みたいなもので、自前の油圧装置でコンテナを浮き上がらせて牽引されます。
なお、コンテナ単体では鉄道輸送や、チヌークでの懸吊空輸も可能です。トラックに載せる場合は陸自のトラックは腰高なので、高さ8ftのこのサイズのコンテナでも背高扱いの輸送となってしまいます。
人命救助システムは、早くも震災翌年の平成8年度(1996年度)に装備化されましたが、配備は少数に終わりました。
なぜかというと、機能を盛り込みすぎて使い勝手が悪かったからです。
拡張式コンテナはデリケートでよく故障し、テントを開くため隊員の練度も維持しなければなりません。
ドーリー(コンテナ牽引装置)についても同じで、前後各車に油圧動力を備えていたり、複雑に関節が動くなど、メンテナンスも大変です。
さらには、トラックに牽引させるにも、長大なトレーラーとなりますので、運転手は極度の緊張を強いられてしまいます。
ということで、もっと簡便な隊員50名分の人命救助システムII型が平成11年度(1999年度)に開発されて、そちらが本格配備され、従来のものはI型を名乗る事になりました。
とはいうものの、震災からわずかな期間でここまでの物を開発した功績は大きく、自衛隊災害派遣のキーとなる大事な装備であることには変わりありません。
※ 3トン半トラックについてはのりものの絵を 参照してください。
自衛隊 人命救助システムII型/人命救助システムIII型
平成8年度(1996年度)から導入された人命救助システムは、阪神淡路大震災の救難現場で足りなかったものを“全部載せ”したものとして完成しました。
特に大型の拡張式コンテナが特徴でしたが、自衛隊は元々便利なテントを各種取り揃えているので、何もコンテナハウスを用意する必要もなく、また、人命救助システムのコンテナをコンテナハウスとして使われたら、現地で救援機材を仕舞う場所が無くなってしまうという問題がありました。
そこで、システムの主眼を救難機材の保管・運搬機能に絞り、取り回しも改善したものとして、平成11年度(1999年度)に人命救助システムII型が登場しました。
今回のシステムは 救難機材の数を隊員50名分と半減させることで、コンテナを小型化しています。
具体的にはコンテナ本体のサイズは長さ12ft級、幅2m程度となり、システムの全長も4450mm以内と、3トン半トラックの荷台に載るようにしました。小型になったので置く場所の選定も楽になりました。
特徴的なのは、油圧展張式の脚(クレーン車のアウトリガのようなもの。油圧ジャッキ。)を備えていることで、これにより自力でトラックからコンテナを降ろすことができます。
コンテナ本体は鉄道のコンテナで言うところの側一方開きで、初期のものはアルミコルゲート板張りでしたが、その後メーカーが代わったのか平板張りになったり、ジャッキの形式が変わるなど、納入時期によって複数の種類が確認されています。
特に平成29年(2017年)頃から納入のものは 油圧ジャッキ駆動用の可搬式発電機専用の小扉が追加されて、コンテナから発電機を降ろすことなく、脚の展張が可能となりました。
ちなみにこの発電機は、救難機材の電源としても使えます。
人命救助システムII型の導入は順調に進み、航空自衛隊や海上自衛隊の基地にも配備されています(全国の自衛隊駐屯地・基地毎に担任地域が割り当てられているため。)。
海自のものは詳細不明ですが、航自の人命救助システムII型は陸自のものとは若干仕様が異なりますね。
また、コンテナメーカーも独自に人命救助コンテナを売りに出していて、導入している自治体もあるようです。
そして、平成30年(2018年)頃からは、人命救助システムIII型が配備されるようになりました。
これは相次ぐ豪雨災害への派遣での教訓から、水害救助に絞った装備が求められたためで、従来の人命救助システムII型が震災等のための汎用救難機材を揃えていたのに対し、こちらはボートやライフジャケットなど、水に備えた装備となっています。
コンテナの中身が違うだけなので、コンテナの外見としては人命救助システムII型も人命救助システムIII型も同じです。
※ 3トン半トラックについてはのりものの絵を 参照してください。
積荷の絵 その1は こちら 貨車の絵 その2は こちら 貨車の絵 その4は こちら 貨車の絵 その5は こちら 貨車の絵 その10は こちら 貨車の絵 その11は こちら 貨車の絵 その15は こちら のりものの絵は こちら 表紙へ